WRC2020/01/27

モンテカルロ、ラリー後記者会見

(c)Hyundai

(c)Toyota

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―ティエリー、この勝利はどんな意味を持ちますか?

ティエリー・ヌーヴィル:「説明するのは難しい。非常に厳しい4日間を通して常に優勝争いにとどまることは、とても難しい挑戦だった。木曜日の夜から、信じられないようなコンディションとサプライズが待っていた。コンディションが実際にどうなるかを知っている人は僕たちの中に一人もいなかった。金曜日は信じられない一日だったが、ニコラ(・ジルスール)と僕にとってはあまり良くなかった。今日は本当に良かったし、勝利を獲得することができた。最終ステージの前に、僕たちは快適なギャップを持っていて、勝利が自分たちのものだということを少し分かっていた。昨年はとても悔しかったが、しかし、2人や3人で競っている時、全員が勝ちたいと思っていても、勝利できるのは1人だけで、他の人は悔しい思いをするものだ。昨年はそれが僕たちだったが、今年は僕たちが笑顔を手にした」

―このような接戦の中での勝利は、困難でしたか?

ヌーヴィル:「タイヤとコンディションの実際の難しさ以上に、僕たちはいくつかパンチを浴びた。僕たちも他のドライバーに何度かパンチを浴びせられたと思う。木曜日の2番目のステージで非常に良い走りをし、それは他の人には理解困難だったと思うからね。金曜日の朝も、僕は最初のステージで10秒以上を稼いだ。昨日は、エルフィンがその日の2番目のステージでさらに12秒を得た。それは驚きだった。時々あることだが、自分がより速くて、他の人がなぜ遅いのか理解できないときに、突然、強烈なパンチのように彼らが10秒以上を突き離し、それに対処しなければならないことがある。僕はリードから16秒遅れており、ターマックラリーではライバルがミスを犯さない限り、その差をひっくり返すことはほぼ不可能だ。マシンに絶対的な自信を必要とし、それが反撃して違いを生むチャンスをくれる。僕たちは土曜日の朝と、特に土曜日の午後、そして今日、非常に激しく反撃することができた。最終的な結果には非常に満足している」

―最終ステージの前に勝利への自信があったと話しましたが、そのギャップはスピン一つで消えてしまうくらいの差で、あなたのホイールリムは小さく欠けていました・・・。

ヌーヴィル:「リムの一部は実際には2番目のステージで欠けたが、その理由はわからなかった。何かあったわけではない。僕たちはソフトタイヤ3本を維持したかったので、そのリムを使い続けることに決め、それは上手く動いた。あとは自信の問題だったが、リズムに乗って走ることができていて、タイムが良いことを知っていれば、あとは手の内だ。僕はエルフィンとセブより速く走ることができ、マシンは素晴らしい動きだった。昨日、僕は16秒遅れから12秒リードまで上がるためのパフォーマンスを見つけることができた」

―最後に、あなたの前にモンテカルロで勝利したベルギー人が何人いるか教えてください。

ヌーヴィル:「1人だ」

―それはいつですか?

ヌーヴィル:「かなり前だ。1940年代かな」

―1924年だそうです!

ヌーヴィル:「OK!」

―ニコラ、このイベントであなたたちには無敵の雰囲気があったように見えました。

ニコラス・ジルスール:「雰囲気は本当に良かった。冬休みの後にモンテカルロに来ることは挑戦だ。これは僕たち(コドライバー)にとって最も忙しいイベントで、目を覚ます必要がある。しかし、雰囲気は本当に良かった。本当に難しかったが、僕たちは準備ができていることを証明した」

―この勝利は多くの意味を持ちますね。
ジルスール:「そうだ、確かに。僕は18歳のときに、この歴史的なラリーに参戦する機会を得た。そのとき自分にこう言った。『やるんだ、僕がモンテに出られるチャンスは、恐らくこの一度きりだ』ってね。そして15年が経ち、僕たちはその歴史的ラリーに勝利した! 僕たちは夢を実現している。とても幸せだよ」

―セバスチャン、あなたとトヨタチームにとって素晴らしい週末でした。

セバスチャン・オジエ:「その通り、素晴らしい週末だったと思う。僕たちはこれまで良い結果を多く達成してきたので、皆が僕たちにもっと良い結果、勝利を期待している。しかし全体として、僕はこの週末にはとても満足している。多くのポイントを獲得したし、パフォーマンスのレベルは最初のラリーとしては非常に良かった。安定していたが、限界までプッシュする必要があるいくつかのセクションではまだ足りていなかった。土曜日の3つのステージと昨日の夜の最後のステージで、36秒を失った。基本的にそれらのセクションでは、僕は慎重すぎた。モンテを表彰台のトップで終われないことに対しては、少し悔しい気持ちがあることは隠さないよ」

―今日はなぜあなたの一日とならなかったのでしょう?

オジエ:「僕たち3人は・・・タイムシートを見てもらえれば分かるが、ほとんどずっと僕たち3人がトップ3にいる。僕たちは非常に良いラリーをした。今朝はグリップは悪くなかったが、チュリニ峠の上で少し滑りやすくなった。自分のフィーリングを信じなければならないが、100パーセントではないと感じている時は、プッシュしてミスをしたくなかった。(パワーステージは)良いタイムではないことはわかっていた。最初のループでもかなり失っていたからね。午後はグリップが少し良くなり、改善した。僕は明日以降はこのラリーのことをチャンピオンシップにとってポジティブだったと捉えるだろう。記者の皆さんは、統計が好きだと思うが、僕がモンテカルロを2位で始めたシーズンを覚えていますか? その年は、僕にとって過去最高のシーズンだった!」

―ラリーの前に、このラリーで勝利することのデメリットについて話していましたが、出走順が早くなるのは良いことですか?

オジエ:「次のラリーがどっちになるのか分からない。スウェーデンができることを本当に願っている。大いなる自然が僕たちがスウェーデンに望むコンディションへと変えてくれることを願っている」

―ジュリアン、ニコはこのイベントが目の覚めるイベントだと話していました。あなたにとっても同じでしたか?

ジュリアン・イングラシア:「シーズンを開始し、プレッシャーを解き放つのはワクワクする。先週、僕たちは日本にいたが、その後エストニアに行き、いくつかテストをした。そしてそのまま新しいマシンの最初のスタートに到着した。とてもホッとしたし、マシンがスタートしたときのエンジンの回転音を聞いてうれしくなった。これは、チームとクルーにとって最も難しいラリーの1つだ。トヨタにおめでとうと言いたい。真新しいチームにとって良いスタートだ。フィンランドにいる(TGRファクトリーの)チームの皆にもおめでとう。彼らは素晴らしい仕事をした。そして、マルティンとオイットは、お大事に。彼らは何日間か小さな悪夢を見るかもしれないが、もう安全だ」

―再び新しいチームに適応することについては、どうでしたか?

イングラシア:「僕のFacebookでビデオを見てくれたかい? 僕たちは少し慣れなければならなかった・・・。12月にその準備をする時間が少しあったが、あなたが言うように、これは新しいチームであり、僕たちは彼らの働き方を学んだ。僕たちはチームに対してかなり迅速に快適に感じるようになり、自信を得た。水曜日にシェイクダウンに到着したとき、非常にワクワクしていたよ」

―エルフィン、このラリーを長い間リードしてきましたが、今はどんな気持ちですか?
エルフィン・エヴァンス:「複雑なのは確かだね。金曜日の朝はかなり力強いスタートが切れて、すごくいいフィーリングを掴むことができた、そこからわりと楽にステージウィンもついてくる感じがしたのは正直なところだ。本当に自然とうまくハマった感じだった。でも今朝になってみるとそんな風に自然にはいかなくて、勝利をかけた絶好のチャンスをものにすることができなかった。それとは対照的にティエリーには非常に力強い一日だった。全体的には今回はポジティブな結果として捉えるべきだし悪いスタートではないからね。これはこれから積み上げていくためのものだ」

―新しいチームに来て初めてのイベント、いかがでしたか?
エヴァンス:「実戦ではどうなっていくのかなって思っていたけど、ちょっと変な感じだった。僕たちは相当な準備をしてきた、テストもやってワークショップで時間を費やしレッキとシェークダウンに十分備えられるように出来ることはすべてトライした。そしてオフィスがあって、でも僕たちはどこに座っていいのか分からない!全部がちょっと新しくなったけど、すべてうまく機能して、僕に自信をもたらしてくれた。チームにはすごく助けられた、例えばタイヤをうまく使っていくこととか。準備はしっかりできていた、でもシステムには少し驚いたよ」

―あなたはあとどれくらいリスクを冒すことができましたか?

エヴァンス:昨日はいくつか氷のセクションで少し慎重になってしまった分、あちらこちらで3秒ほど費やしてしまった。その辺りの細かい部分で差が出る。真新しいクルマに乗っているしここはモンテカルロだからね。僕たちはもう少し早い時点でスロットルを踏み込んでいくわずかなチャンスにかけていた、でもそれですぐにポジションが変わる可能性があった。僕たちはリードしていたけど、皆は何かしらヒヤッとした場面やらかしている、今日はリスクがより高くなっていてそんなに自然と降りてこなかった。そんな時にそれ以上プッシュしようとすれば、オフすることはほとんど目に見えていた。そのステージではそうだったと認めざるを得ない。諦めたという意味ではなくて、ただクルマを自分が思っているとおりに完璧にコントロールすることができないという意味だ」

―スコット、このポディアムはあなたにとって本当に特別なものですね‥

スコット・マーティン:本当に特別だ。難しいラリーだった。シーズンのスタートを切るところで期待も高まる。彼とともにここにいること、厳しい戦いであるからこそこのラリーでポディアムに上ることができるのは特別な感覚だ。たくさんのハードワークと準備を費やして、すべて報われて、すごく充実した週末になって本当に良かったよ」

―初勝利のことは夢に見ましたか?

マーティン:「全然なかったよ、むしろなかなか眠れなくて困ったよ。いつかきっと実現する。本当に前向きな週末だったし、これからのシーズンが待ちきれないよ。チームは素晴らしい成功を収めているし、セブとジュリアンそして他の皆とも一緒に仕事ができるのは最高だよ」

—アンドレア、最後にあなたの感情溢れるところを見ました、これは本当に大きな意味があったと思います。

アンドレア・アダモ:「これはどうしても言っておきたい、今回?私にとって特別なんだ。私が生まれたのはここからあまり遠くない。モンテカルロはいつだって特別だった。このラリーのすぐそばで私は育ってきた。1986年にヘンリ・トイヴォネンが優勝した時のこと、ラジオ・モンテカルロを聞くために起きていていいかと両親にお願いしていたのを覚えているよ。こういうことを詳しく思い出すにはちょっと年をとってしまったが、各ステージのあとのライブ・コメントを聞くためにラジオ・モンテカルロに耳を傾けていたことはよく覚えている。夜中ずっと起きていた。チュリニのスタートで、自分がまだ子どもだったことも覚えている。私にとってここに来ることはと特別の意味がある、ここは私の情熱のルーツであり、このポジションにいなければ常に大変だ。前回も大変だったが、(ヒュンダイ・モータースポーツ代表として)今回が初めてとなったが、やはり難しいことは変わらない」

―時に見ているのも大変ですか?

アダモ:「そうだね」

―ティエリーとニコラのパフォーマンスについてはどう思いますか?

アダモ:「私がヒュンダイを指揮するようになってから、トヨタとの差を埋めてきたのはいつもティエリーとニコラだった。私が見たところカタルーニャでは、彼らには一度も言っていないが、彼らの自信また一段先に到達している。カタルーニャからはそこでもその先のテストでも継続的に進歩している。今週末はもしかして、彼らは私よりも全然落ち着いていたと言えるかもしれない。彼らが私を落ち着かせてくれた。この週末、私には世界がちょっと逆転してたかもしれない」