WRC2021/10/15

ラリー前会見「勝利のために走りたい」

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―セブ、今週末はドライバーズタイトルとマニュファクチャラーズタイトルがかかった大イベントですね。これまで何度もこれを経験してきましたが、あなたがタイトルを争うのを見るのはこれが最後になるかもしれません。何か違って感じますか?

セバスチャン・オジエ:「実は、この週末に向けてとてもワクワクしている。これまでのレースでは、チャンピオンシップの差を維持することを優先したり路面掃除があったりして、あまり楽しむことができず、僕の最善のレースではなかった。今回はチャンピオンシップを確定するための最初のチャンスだが、同時にこのラリーで勝ちたいという願いも強い。ターマックに戻ってきたので、トップ争いできるチャンスがある。僕たちのマシンはこの路面に適しているからね。このラリーはとても美しい。以前、ミックス路面のイベントだったときも素敵なラリーだったが、フルターマックになったことは、チャンピオンシップリーダーにとって朗報だ。うれしいし、戦いが楽しみだよ」

―これまでスペインでは、良かったり悪かったりしてきました。今回の大きな変化は、すべてがターマックであるということです。慣れ親しんだコースもあれば、新しいセクションもあります。このルートについてはどう思いますか?

オジエ:「このラリーの特徴がよく表れていると思う。知っているセクションも多いが、新しいセクションもある。土曜日のSS8では、カタルーニャでは今はあまり見られない、少し古いターマックがある。今週末のレースとドライビングを楽しむための材料はすべて揃っている。路面のコンディションはかなり一定なはずだ。雨は降っていない。これは戦いにはいいことで、かなり接戦になると期待している」

―さて、来シーズンのことですが、ジュリアン(・イングラシア)があなたの隣からいなくなるというニュースがありました。それについてはどう考えていますか?

オジエ:「ジュリアンは最高のコドライバーなので、僕にとっては良いニュースではない。これまで彼は僕の隣で素晴らしい仕事をしてくれた。僕たちは最初から一緒にスタートした。僕がドライバーとして成長することと、彼がコドライバーとして成長することは同じくらい重要なことだった。お互いの仕事に干渉することはなかった。僕は彼を信頼し、彼も僕を信頼してくれていたので、こうして完璧に機能してきた。もちろん、僕にとっては大きな喪失になるだろう。これからは他の人と一緒にスタートしなければならない。しかし、僕は彼の決断を完全に尊重する。長年、世界中を旅してきて、少しペースを落としたいと最初に言ったのは僕だ。僕は少しずつサーキットレースに切り替えていきたいと考えている。僕のプログラムは、将来に関して全く明確ではないので、彼が何回ラリーに出られるか分からない状況に置かれたくないと思うことは理解できる。それは仕方のないことだと思う。今は、最後の2つのラリーを一緒に楽しみたい。そしてこれは、最後の2つのラリーで勝利して最高の形で終えることができるチャンスだ」

―エルフィン、フィンランドでの圧倒的な勝利で、タイトル争いの扉が再び開きました。このラリーに臨むにあたり、そのことはどのくらい念頭にありますか?昨日、セブが「エルフィンは失うものがない」と言っていましたが、そういう心持ちですか?

エルフィン・エヴァンス:「楽しみにしている。ここに来る前に良い結果を得られたことは嬉しい。しかし、同時に、僕たちはここを白紙の状態でスタートするので、状況はまったく異なる。ラリーを楽しむために来たので、序盤から良いフィーリングで走りたい。フィンランドとは全く違う方法で、しかし、同じような結果を得たい。チーム(マニュファクチャラーズ選手権)のためにも、まだ仕事がある。最後の2つのラリーでかなり悪いことにならなければ達成できるとはいえ、まだやるべきことはある。セブとの差がかなり大きいことはわかっている。とはいえ、僕はラリーに勝つためにここにいるので、他のことはあまり考えず、あとは結果を見てから心配すればいい」

―イベント前のテストは上手くいきましたか? セットアップには満足していますか?

エヴァンス:「フィンランドでのテストはベストではなかったが、最終的にはかなり良いセットアップが見つかった。ここスペインでもいつものように少しフラストレーションも溜まったが、最終的には速いマシンを手に入れることができた。イベント前のテストでは望んでいたものをすべて探索できなかったとしても、そうだと信じている。かなりいい感じの設定だが、実際に走ってみて、すべてのコンディションを経験してみないとわからない。というのも、テスト路面は非常にクリーンでスムースであることが多いが、ラリーではもう少しごちゃごちゃしていて、人によっては大規模なカットを好む。そして、2回目の走行では僕たちもそれを余儀なくされる。それによって、ダイナミクスが少し変わってくる。いつものように、このラリーにはいくつか未知の要素がある」

―タイトル争いが終盤となった今でも、ライバル同士で意見を交換していますか?

エヴァンス:「今年の最初のラリーでも最後のラリーでも、僕たちはオープンなポリシーを持っているし、今の状況でもそれは変わらない。セブは僕のテストの情報をすべて得て、僕はそのあと彼がテストでどうしたかについて情報を得た。お互いに秘密はないので、あとはステージ上で戦うのみだ」

―ダニ、ここスペインはホームイベント、そして、あなたは参戦しているクルーの誰よりも多くのポディウムを獲得しています。ポディウムはこれまでに8回上っていますが、まだ最上段には届いていません。今週末それが変わることになりますか?

ダニエル・ソルド:「もちろん、そうなればうれしい、大物たちと普通のものでは微妙に違って、僕たちが勝利することができないからね。でも当然、すべての時間を費やして本当に頑張って、これまでの年のように今年も同じようにやっていくよ。そのために僕のすべてを尽くすよ。セブが言うように、ターマックでは皆がもっと平等で、同じ条件でスタートする。さらに難しくなるかもしれない。でも僕たちは皆と少しでも同じクルマで走るし、いい戦いができると思うよ」

―このイベントがフルターマックだった時のことを思い出してみて下さい。トップ10が2日半にわたって変わりませんでした。今回はもっと接近した戦いになりそうですか?

ソルド:「すごく接戦になるだろう。多くは僕たちが慣れ親しんだステージなので、かなりハードにプッシュできる。クルマはパフォーマンス全体的にとても良くて、同じくらいのパフォーマンスを発揮している、それにターマックではかなり接近したバトルになる。シェイクダウンのタイムを見れば、コンマ何秒というタイム差になっている。ステージで走れば、非常に接近した戦いになると思う」

―来年も限定的な参戦ということで、またあなたがヒュンダイで走るあなたの姿を見ることができるというのは素晴らしいニュースですね。すべて確定したことで、嬉しさはどんなものですか?

ソルド:「来年も同じラリーで走れるのは本当に嬉しいよ。特に新しいことではないけど、何かができるということに、すごくワクワクしているよ」

―アドリアン、ここスペインではワールドカーでの初めての参戦となります。クルマのセットアップはどうですか?

アドリアン・フールモー:「今朝(シェイクダウンで)最初のラウンドアバウトでストールさせてしまった。シェイクダウンはいろいろと面白かったよ。ラリーでも使われているステージなので、ここで経験を積んで、トップとの差を縮めたいと思う。彼らは必死にプッシュしてくるはずだからどれくらいの差になるのか興味深い。ターマックイベントだし、フィエスタがターマックに強いことは分かっているかた、このイベントでいい結果が出せることを期待したい」

―テストを行っていなかったようなので、今朝のシェイクダウンがテストになったわけですね?

フールモー:「そうなんだ、シェイクダウンがテストだったんだ。だからラウンドアバウトでストールしたんだ。前もって知っておくべきことがあった。初めてだったからね。シェイクダウンでかなり多くの走行を行ったのはそのためだったんだ。チームはターマックでのクルマの知識を十分把握していて、僕のセットアップは2018年の時のものとそこまで大きく変わらない。そんな悪くはない。(新しいコドライバー、アレクサンダー・コリアとの)関係はお互いに上がってきて、どんどん良くなってきているよ。一緒に仕事をしながら習慣のような感じに持っていきたい。彼にとってはここでのラリーの方がフィンランドに比べたら断然楽になるはずだ。シェイクダウンでいきなり良かったし、それから後、まだクルマの中でも外でも共に取り組んでいくべきことが必要ではある。でも自信はある」

―来年のあなたのプログラムについてはいつ教えてもらえますか?

フールモー:「それについてはマルコム(・ウィルソン)に聞いてもらうのがいちばんだ」