WRC2024/03/27

ロヴァンペラがシェイクダウンで一番時計

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 2024年世界ラリー選手権(WRC)第3戦サファリ・ラリー・ケニアのシェイクダウンが3月27日水曜日に行われ、トヨタGAZOOレーシングWRTのカッレ・ロヴァンペラ(トヨタGRヤリスRally1)が3分32.1秒の最速タイム、ヒョンデ・モータースポーツのティエリー・ヌーヴィル(ヒョンデi20 N Rally1)が0.2秒差の2番手タイムで続いている。

 サファリ・ラリーのシェイクダウンは、これまでと同様にサービスパークがおかれるナイバシャ湖近くの5.40kmのロルディア・ステージで水曜日の朝から行われた。この日の天候は晴れているものの、今シーズンのサファリは雨季シーズンでの開催となるため、晴れがつづく週末になるとの予想はあるものの、突然の大雨による路面変化には要注意だ。ロルディア・ステージも数日前に降った雨が流れた痕跡が深々と刻まれ、サファリらしいラフなセクションも垣間見ることができた。

 マニュファクチャラーチームのドライバーは、ケニアでのプレテストが禁じられているため、シェイクダウンの限られた走行とはいえ、明日のスタートに向けてセットアップを確かめる重要な機会となったが、ここではロヴァンペラが2回目の走行でトップタイムを奪い、昨年に続いてシェイクダウンの一番時計を奪うことになった。

 ロヴァンペラは自身のペースを喜びつつも、このラリーでは何が起きるかわからないと自らを戒めていた。「何が起こるかわからないラリーだから、週末前にあまり期待しないのが普通だ。期待しすぎず、いいラリーをしたいし、何が起こるか見てみたい」

 当然のことながら、ヒョンデ勢もヨーロッパでのプレテストでケニア入りをしているため、0.2秒差の2番手タイムながら選手権をリードするヌーヴィルはマシンのセットアップについては要改善だと感じているようだ。「セットアップの面ではまだもう少し良くする必要がある。マシンを理解し、どこを改善できるかを確認するために地道に走った。

 さらに0.1秒差の3番手には、前戦スウェーデンで優勝を飾ったエサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 N Rally1)、4番手にはオイット・タナク(ヒョンデi20 N Rally1)が続いている。

 シェイクダウンは今年から最低2回の走行を行い、3回目は依頼があればVIPのための走行として行われることになる。タナクは1回目の走行で暫定トップタイムを奪って好調な滑り出しをみせたあと2回目の走行ではややポジションを落としたが、3回目の走行ではチーム代表のシリル・アビテブールを横に乗せて暫定5番手タイムを叩き出し、さらに3回目の走行でポジションを4番手に上げている。「明確なプランは、常にここでトラブルに巻き込まれないことだ。ラリー全体を通してこのように走ることができれば、それは常にポジティブなことだ。これをまとめるのは簡単ではないが、ベストを尽くす必要がある」とタナクは語っている。

 選手権2位につけるエルフィン・エヴァンス(トヨタGRヤリスRally1)は、実質2回の走行にとどめて5番手タイムとなっており、トリッキーなコンディションになることを警戒していた。「ケニアはいつも難しいよ。セットアップに手入れをしながら速く走ることのバランスを見つけなければらないし、その上、トリッキーなコンディションになるかもしれない。これから長い1週間になるけど、自分たちに何ができるかを考えないとね」

 6番手には同じく前戦で初表彰台を達成して勢いにのるアドリアン・フールモー(フォード・プーマRally1)が続き、得意のサファリで初優勝への期待がかかる勝田貴元(トヨタGRヤリスRally1)が7番手で続いている。勝田は過去2度サファリでは表彰台を達成したものの、昨年はシェイクダウンでの横転でペースを乱されて4位に終わっており、雨季という未知でのチャレンジとなる今年はさらにクレバーに行くことが重要になると語っていた。「確かに大きなチャレンジになるだろうから、ステージを通して安定して賢く走る必要がある。このラリーでは最速を目指すのではなく、クレバーであることが重要なんだ」

 サファリ・ラリーは木曜日の午後、伝統に従って首都ナイロビのケニアッタ国際会議センター(KICC)の前で行われるスタートセレモニーのあとに行われる、スーパーSSカサラニで開幕する。