WRC2024/04/17

アイルランド、2025年のWRC開催を断念

(c)Motorsport Ireland

 2025 年に世界ラリー選手権に復帰するというラリー・アイルランドの希望は、資金調達の遅れによって打ち砕かれ、モータースポーツ・アイルランドは代わりに2026年に再挑戦する意向を示した。

 WRCプロモーターによる2025年WRCイベントの入札プロセスは3月末に締め切られたが、モータースポーツ・アイルランドはまだ必要な資金を調達できずにいたため、2週間の延長を要求し、これが認められた。

 しかし、アイルランドのゲールタハト地域担当およびスポーツ・体育大臣であるトーマス・バーンは今週、同省が公的資金を投入する前にモータースポーツ・アイルランドの提案についてさらに独立した経済評価と分析を行うのに、「少なくとも6カ月」を要することを明らかにした。

 これは2025年のWRCカレンダーでアイルランドが枠を獲得できないことを意味するが、モータースポーツ・アイルランドは「2025年以降に代替開催が可能かどうか検討する」方針を示している。

 モータースポーツ・アイルランドは次のようなプレスリリースを発表した。

「WRCプロモーターGmbHとの入札プロセスの締め切りは今年の第1四半期末までだったが、モータースポーツ・アイルランドは当初からバーン大臣とメジャー・スポーツ・イベント・ユニットの両者にその旨を伝えていた。モータースポーツ・アイルランドは、第1四半期の期限までに同省から何の通知もなかったため、プロモーターに2週間の延長を要請し、認められた」

 モータースポーツ・アイルランドは2023年初旬に初めて政府に働きかけ、同年6月にはトーマス・バーン大臣らと有意義な会談を行い、世界ラリー選手権を3年間アイルランドで開催することで、世界の舞台でアイルランドをどのようにアピールできるかをプレゼンした。モータースポーツ・アイルランドは2023年10月6日に完全なイベント審査申請書を提出した。

 モータースポーツ・アイルランドによれば、追加情報が必要かどうか何度も同省に問い合わせたにもかかわらず、提出した書類について現在までに何の質問もフィードバックも受け取ることができなかったと説明している。

「延長期間の最終日にプロモーターから、バーン大臣の省がさらなる独立した評価と分析を行うためにさらに6ヶ月を必要としていることを知らされ、非常に不満に感じている」

「モータースポーツ・アイルランドは当初から、私たちの資金援助要請が成功したかどうかの通知を受け取る期限が2024年3月であることを明確にしていた。この期限はモータースポーツ・アイルランドが決めたものではなく、世界ラリー選手権のプロモーターが設定したオペレーション上の期限だった」

「WRCプロモーターGmbHが2025年の参戦を可能にするために延長を認めてくれたことに非常に感謝しているが、昨日のバーン大臣の回答で、それが不可能であることが確認された」

 モータースポーツ・アイルランドのエイデン・ハーパー会長は、アイルランドのWRC復帰は公的資金があって初めて実現可能となると強調した。「我々は常に、FIA世界ラリー選手権は政府の財政的支援があってこそアイルランドで開催可能となると明言してきたが、一方で、資金援助が得られない可能性も常に意識してきた」

「この素晴らしい機会、そしてそれがもたらすであろう経済的利益を、他の誘致国に渡さなければならないのは非常に残念だ」