WRC2021/07/17

勝田、「悔しい気持ちはダンもきっと同じはず」

(c)Toyota

 勝田貴元は、コドライバーのダニエル・バリットがジャンプのハードランディングで背中を痛めたためにラリー・エストニアをリタイアすることになったが、2戦連続でポディウムを狙えるほどにマシンもフィーリングも良かっただけにこのような結末は自身だけでなく、バリットもきっと無念だと語り、チームメイトを思いやった。

 ラリー・エストニアの初日、勝田はSS4を終えて3位にポジションを上げたが、バリットが背中痛みを訴えたために安全のためにリタイアを決め、バリットはタルトゥの病院で検査を受けることになった。

 マシンを止めたあとラーティのサービスへと帰ってきた勝田は、病院で検査を受けているバリットがケガなどなく無事であることを願うと語った。

「SS4ではいくつかハードランディングのジャンプがあり、ステージエンド近いパートには大きなジャンプがあって、スピードを落として飛んだが、コドライバー側からの悪い着地になってしまった。その後、次のステージに行くには彼はあまり良い気分でないことからマシンを止めることになった」と勝田はふりかえった。

「いま彼は検査のために病院に行っており、検査の必要があると言われている。まだ結果が出ていないようだが、彼の体が大丈夫なことを願っている。彼が健康であることがもっとも重要だ」

 勝田は朝のループでは慎重になったところもあったが、ペースはどんどん良くなってきたため、2位を目指してプッシュしようとしていたところだったと明かしている。

「朝のスタートは少しペースに苦しんで、いくつかのセクションではちょっと慎重に行きすぎて、タイムを失ったところもあった。でも、もう大丈夫だと決意してプッシュして、走りを改善しようとしたんだ。ステップバイステップだったけどフィーリングも良くなりペースをつかみ、SS4のあと僕らは総合3位へ上がることになった。マシンもよかったし、かなり自信も上向いてきたし、2位に追いついてやろうと思ったが、ロードセクションでマシンを止めることになった。もちろん僕の気持ちは言うまでもないが、ダンもきっと同じように残念な気持ちだろう。ラリーではこのようなこともある」

 なお、トヨタは、バリットが検査を受けた結果、骨折などケガを負ってなかったと正式に発表したが、医師の忠告に従ってラリー続行を諦め、二人が明日の土曜日にはリスタートしないことを発表している。